年少クラスの春に場面緘黙(ばめんかんもく)と言われた娘、アラレ。担任の先生に支えられて、話せないながらもなんとか嫌がることなく保育園に通っていました。
しかし、外で自分を表現できない反動なのか、家でかんしゃくを起こすことが度々ありました。感情を爆発させるのです。
アラレのかんしゃくを目の当たりにすると、「こういうふうに、保育園では怒ることも自己主張もできていないんだよなぁ。子どもながらに、辛いだろうなぁ。」と、私の胸の中はやるせない気持ちになっていました。
保育園生活の転機
アラレの保育園生活が少しずつ変わったのは、同じクラスのプゥちゃんという女の子となかよしになってからでした。
なかよしといっても、初めはプゥちゃんも、話さないムスメのことを疑問に思っていたらしく、「アラレちゃん、なんでなんにも言わないの?」と訝しがっていました。
しかし人間というのは不思議なもので、言葉を交わさなくても、アラレとプゥちゃんは波長が合ったようです。ふたりはお友だちになりました。
プゥちゃんはひょうきんな女の子で、彼女の楽しいおしゃべりに、アラレはたくさん笑うようになりました。
そうしてアラレはいつからか、ぽつりぽつりと、プゥちゃんとはお話ができるようになっていきました。
プゥちゃんとの関わりのお陰で自信をつけたアラレは、クラスの他の子や、先生とも会話ができるようになっていきました。
友だちというのは、本当にありがたい存在ですね。私もいい友だちに恵まれたので、アラレにもいい出会いがあったことに感謝しています。
スモールステップを大切にするということ
保育園で話せるようになっていくのと比例して、家でのかんしゃくは減っていきました。
それでも、自分の気持ちを言葉で表現するのはまだまだ苦手なので、保育中に突然泣き出す→理由を先生に言えない→先生困る、アラレも困る、ということもしょっちゅうあるようです。
保育園のお迎えの時に先生からそういう報告を聞くと、心の中が不安の陰でどよんと曇りそうになるのですが、そんな時は「焦らない焦らない。一歩ずつなのだから。」と自分に言い聞かせています。
場面緘黙の克服は、スモールステップの積み重ねなのです。
近所の人にこんにちは。お友だちや先生におはよう、バイバイ、さようなら。お店の人にありがとう。
「言えた」という経験、スモールステップを、アラレが積み重ねていけますように。きっと大丈夫だと、アラレの力を信じたいと思います。
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