引っ越し先の保育園に入園して5か月の娘、アラレ(当時3歳で、息子のガッちゃんはまだ生まれていませんでした)。家ではあんなにもお喋りなのに、担任の先生から聞いたのは、「園ではまったく話さない」という言葉。アラレには一体何が起こっているのでしょうか…。
娘の様子が何かおかしい
担任の先生から、アラレが保育園で話さないということを聞くまでにも、「なんだかアラレの様子がおかしいぞ」という予感はしていました。
朝や帰りの挨拶の時も、表情や姿勢が固くなり、言葉を発せられなくなっていたからです。家に帰ってからアラレ本人に園での様子を尋ねても、お友達とコミュニケーションを取ったというような内容が返ってくることはありませんでした。
その当時からさかのぼること5か月前に、私たち一家は県内のとある町から現在の地域へと転入してきたのでした。それまで通っていた保育園では、特に何の問題もなく園生活をおくっていたので、現在の園への転園も、それほど心配はしていませんでした。
しかし、転園し、1か月、2か月…、5か月が経っても、どうにも園になじんでいないような気がしてなりませんでした。
やっぱり娘は場面緘黙だった
担任の先生からの報告を受けて、私と夫のセンベイは、「家では普通に話す」「保育園で話さない」など、思いつくキーワードを入力してインターネットで調べました。検索結果に挙がってくるのは「場面緘黙症(ばめんかんもくしょう)」という聞きなれない言葉。
そこに記述されているチェック項目の多くに、アラレの状態はあてはまるのでした。
センベイ「これはもう、十中八九、わがムスメは場面緘黙とやらだな。」
オハギ「どうする? いつ小児心療内科いく?」
こんなふうに、私たち夫婦はサクサクと受診の段取りを組んでいくのでした。よく修羅場のごときケンカもするけれど、すわ、子どもの一大事となると強い結束力を発揮する。そんな夫婦です(笑)
そうして、県内のクリニックに家族3人で足を運び、医師から告げられた診断名は、私たちの予想どおり、「場面緘黙症」でした。
場面緘黙症とはどんなもの?
さて、改めて、場面緘黙症とは一体どんなものなのでしょうか?
家では普通にお話ができるのに、保育園・幼稚園や学校など特定の状況では話せなくなってしまう状態を、場面緘黙(ばめんかんもく)と言います。
これは、社交不安や恐怖症の一種だそうです。場面緘黙の子は、生まれつき危険に対して敏感な気質を持つ子どもが多いのではないかと言われているようです。確かに、うちの娘もとても怖がりな子どもです。
医学的な診断では「選択性緘黙(せんたくせいかんもく)」という名称で呼ばれています。「知的障害や自閉症スペクトラム障害が原因となって、人との関わりが苦手」といったようなケースとは別のものであるとされています。
発症のタイミングは?
入園や入学のような社会的な環境、新しい環境にデビューする時期での発生が多いようです。中には、転校や失敗体験がきっかけとなる子もいるそうです。
我が家の娘にも、引っ越し、そして転園という、環境の変化がありました。実はアラレに対してちょっぴり罪悪感を抱いています。これについては、詳しくはまた後日に。
場面緘黙の子どもの状態はさまざまなのです。ただの「はずかしがりやさん」との違いは、緘黙の症状が、長い間・広い範囲で続き、園などの社会生活で、その子本来の力を出しにくいことです。
参考文献 はやしみこ著、金原洋治監修、かんもくネット編
(2013年)『どうして声が出ないの? ―マンガでわかる場面緘黙―』学苑社
オハギ、かんもくガールの母となる
こうして、期せずして場面緘黙の子どもを持つ母となった私。「なんだか大変そうだなぁ」と感じる読者の方もいらっしゃるかもしれませんが、決してそんなダークな日々ではございません。
悩んだり不安になったりしつつも、娘の成長を日々目の当たりにし、ほっこりとしているー。そう、世の中の親御さんたちと少しも変わりない日常だと思います。
我が家で実践していることや、かんもくガールならではのエピソードを、今後少しずつお届けしていきますね。
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